南極親子の節分の日



「聞くところによると、明日2月3日は節分という行事があるそうじゃないか」
「…何しに来た、馬鹿親父」
「なあに、可愛い我が息子と娘のために、我の男面と女面を貸してやろうと来たのだ。さあ、遠慮なく豆をぶつけてやるといい」

 ずびし、とジョッシュは無言で父親ーペルフェクティオに落花生を投げつける。思い切り。

「あ、痛! 痛い!! ぶつけるのは我ではない、仮面の方にだ!」
「どっちでも変わらない。あんたも一緒に帰れ」
「ひ、酷い…。我はお前たちのためを思って…」
「いいから帰れ」
 突き放すジョッシュはどこまでも無表情である。しかし、豆を投げつける手は一切止まらない。
「うう…り、リム。お前なら我の父心を分かってくれるな? な?」
「お父さん」
たまらずに泣きついたペルフェクティオに、リムは満面の笑顔を返す。


「邪魔だからソレと一緒に帰ってね」



その後、クリフに慰められるペルフェクティオがいたとかいなかったとか。






アクセル+ミィの節分と鬼菩薩



「鬼は外・・・・・・私の鬼菩薩は追い出されちゃうんですの?」
  寂しそうに呟くのは、豊かな蒼髪にところどころ金の筋が入った少女――アルフィミィである。
彼女に寄り添うように浮かんでいる鬼菩薩もどことなく寂しそうである。
「・・・・・・あ、ご、ごめんなさい。私軽率な事を・・・・・・」
 神夜はすまなそうに謝るが、アルフィミィをどう慰めようか思いつかずおろおろするばかりだ。
「気にする事はないさ、カグヤ。アルフィミィも悲しむなんてナンセンスだぜ。オニボサツはアルフィミィを助けてくれるいいオニなんだろ? オーガ・プリンセスと一緒さ」
 それをさり気なくフォローするのが、チャラコフスキーことハーケンの役割、――と彼自身は把握している。
まぁ、フォローしつつもちゃっかり神夜の肩を抱き寄せたりもするものだから、どうしようもない男だ。
 案の定、ジト目でアルフィミィに見上げられた。
「な! アクセル、アンタもそう思うだろ?」
 これはまずいとハーケンは横で落花生を貪っているアクセルに丸投げしようと話題をふりかける。
「んあ? なんだって?」
「アクセルも・・・私の鬼菩薩は追い出した方がいいと思うんですの?」
 急に話題を振られたアクセルは、しばし豆を咀嚼しながら考えている風だったが「別にいてもいいんじゃないの? 有能だし鬼菩薩ちゃん」と能天気そうに答えた。
ぽん、と頭を撫でる事も忘れない。
「それに―――」
 さらに何かを言おうとしたアクセルの雰囲気が一気に別人のものへと変わる。
「鬼菩薩(ソレ)もお前を構成する存在の一つだろう? ならばお前はお前らしく堂々としていればいい。それが、お前に希望を与えたキョウスケ・ナンブやエクセレンへの恩返しにもなるんじゃないのか?」
「アクセル・・・あんた・・・」
「アクセルさん・・・? 記憶が?」
「・・・・・・って、思ったんだけど誰だろうな、キョウスケとエクセレンって? アルフィミィちゃんの知り合い?」


 キョウスケとエクセレン。その名前はアルフィミィの心をなによりも揺さぶる存在で。


「アクセル・・・ありがとうですの」
 何故かはわからないが、するりと、言葉が流れ出た。





すごく今更な節分の話。twitterでもそもそやってました。南極親子のアホ話とアクセル+ミィの話。
2013/05up