筆頭とゆきむらくん



「ああ〜、真田ぁ。今日も最高にcuteだぜぇ・・・」
「あのslenderな腰と尻触りてぇなぁ・・・」
「strongな腕に抱きしめられるのも悪くねぇなぁ・・・」
 今日も筆頭は日課の(むしろ時課の)、幸村ウオッチングという名のストーキング一歩手前中である。
傍から見ると、何せこの方異常に興奮しているので変態にしか見えない悲しい有様だ。

「ああっ! 石田の野郎!! 俺の真田に触るんじゃねぇぇぇ!!」
「誰が貴方のですって?」
「ah〜? そんなの真田に決まって・・・・・・・・・・・・・・・っっ!! おお、お前は真田幸村!」
「こんにちは、伊達殿」
 にっこりと微笑んで挨拶してくる幸村に、筆頭は後ずさる。
こっちの幸村は、この笑顔が曲者なのだ。以前は、この笑顔のまま気持ち悪いとブッ飛ばされた。
 今回は以前と同じ過ちは犯すまい、とじりじりと幸村から距離をとる。
「な、何の用だ真田幸村?」
「嫌だなぁ、伊達殿。ここは上田城ですよ? 用事があるのは貴殿の方ではないのですか?」
「お前にゃ用はねえ。用があるのは俺の真田の方だ!」
「私も”真田”ですけど?」
「違う! 真田はお前みたいに胡散臭くねぇ! もっとpureでcuteなんだよ!」
 これでも本人(達)は真面目なのである。

「・・・・・・悲しいですね」
 ふう、とこれ見よがしに溜息をつきながら幸村は一気に筆頭に詰め寄る。
筆頭は慌てて再度距離を取ろうとするが、間に合わず幸村に密接されてしまった。

「私は」
「ひっ」
 そう言いながら、幸村は筆頭の腕を取り指を絡ませる。

「こんなにも」
「っっ」
 今度は腰を引き寄せる。

「伊達殿をお慕いしておりますのに」
 最後に、お互いの吐息が絡まりあう距離まで顔を近づけた。




「―――――――っっ!!! いいいいいイヤァァァァ!! やめてぇぇぇぇぇ!!!」




 それからどうなったのかは、一切を語ろうとしない幸村(標準装備:笑顔)と筆頭なのであった。






*****




後日談。


「真田幸村」
「何ですか、片倉殿?」
「頼むから、必要以上にうちの政宗様に近づかないでくれ」
「何故ですか?」
「アンタに絡まれると、しばらく引き篭もって使い物にならなくなるんだよ」
「嫌だなぁ、絡むだなんて。私は純粋に伊達殿を好いておりますのに・・・    」

 ”好いております”の語尾に、間違いなく”面白くて”と幸村が言ったのがはっきりと聞こえてしまった小十郎。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 政宗様、どうやら小十郎にもこの幸村を抑える事は不可能なようです・・・。






1059幸村はいろんな意味で最強伝説。
どっちかと言うと筆頭は右側が好みです
ちょっと変態くさいと(主に言動が)とても好みです。
2010/07/10up